砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないを読みました。



友達から借りた、「GOSICK」という小説が面白くて、桜庭一樹さんを知りました。
その時は、表紙のヴィクトリカが可愛いとか、そんな些細な理由で読み始めました。


読んで見て、この人は凄いなって思いました。


でも私自身はラノベや本屋からだいぶ離れていたので、今日、やっと購入しました。


砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)



GOSICKとは雰囲気は違う、桜庭一樹さんの、短編小説です。
正直、ラノベじゃなくても売れるんじゃないだろうか…。と私は思うわけですが。


自分が感じたままの感想が書けるように、できるだけネタばれが無いように(でも無理かもしれません…)、頑張って書きたいと思います。


とは言うものの。
正直最初はおっかなびっくり。


表紙の絵はとぉーっても可愛らしい女の子二人だし、その一人は「ぼく」キャラだし。
でもそんな不安を差し置いて、小説の中身はいたって硬派。


歪んでいる社会を凝縮して書いていると思いました。
歪んでいるはずなのに、それは当たり前のようにみている世の中に、似ている。
非現実的な要素もあるけど、言うなれば、テレビの中にある、今と同じように見えます。


この作品を読んで、小説で久しぶりに泣きました。


冒頭で登場人物の一人が死んでしまうことはわかっているのですが、クライマックスに向けて何だか涙が出てきました。


それは、必ずしも「死」に対するものだけではなくて。
子供の無力さとか、儚さとか、そういうのがとても悲しかったです。


でも、子供は戦っているって事が、一昔前まで居た自分にも、少し重なるところがあって。
私は幸い、周りの友人はみんな元気で、同じことがあった訳ではないのですが、どこかに既知感を感じて。
そういう意味でも何だか涙が出てしまいました。


でも、この作品は人を選ぶかもしれません。
少なくとも、私の周りの男の子に見せても、泣くほどの人は居ないと思います。
(逆に、これで泣いたの?って聞かれてしまいそうです。)
女の子でも、泣く人は居ないかも。面白いとは言ってくれそうですが。


それでも、個人的にはお勧めです。
機会がありましたら、読んで見てはいかがでしょうか?