他娯楽物とのシナリオ相違。



本当はエンゼル・ギアセッションの反省を書こうかと思ったのですが、
それは、海鴎@DDさんからいただいた
コメントに集約されている気がしたので、
少し違うことを書こうと思います。


一応、昨日書いたセッションの話も大きく関わってきますので、
気になる方はこちらから。


今回は、TRPGのシナリオと、
他の漫画や劇のシナリオはだいぶ異なるという
ある意味では当たり前の話をしたいと思います。
お付き合いくださる方は、続きをどうぞ。


さて、突然ですが、
今回のエンゼル・ギアのシナリオ作成には協力者がいます。


うちの妹です。


妹は漫画やイラストを描くのが大好きです。
そんな妹には、今回に限らず、
シナリオに詰まったときにいつも救いを求めます。


今回も、一日二本のシナリオに頭を悩ませ、妹に相談しました。
その時、決まっていた項目は、

  • 圭一が主人公である。
  • 黒江が来る前の過去話で、圭一の前のパートナー(壱与)を出す。
  • 壱与は実は黒江のプロトタイプで、最終的に天使化する。



また、悩んでいた項目は、

  • 壱与の天使化のきっかけ。
  • その他のキャラクターの扱い。



他キャラクターについては二人とも解消法は思いつかず、
そのときは保留にしましたが、
天使化のきっかけについては、
圭一が狙われているため、壱与は彼を守るために閉じ込めてしまう。
なんとか脱出はできるが、
その時すでに、圭一を護るために力を使いすぎて、
壱与は天使化を開始しているというものでした。


あ、イケテル。
と、素直に思いました。


しかし、本番では使わなかったわけです。
理由は、頭の中にそのネタが残ってなくて、
すっぽり抜けてしまっていたのが原因で、つまり私が悪かったわけです。


でも、帰ってから妹にそのことを話したところ、
圭一が壱与を守るために人質として捕らえられるのは、
イケテナイといわれた訳です。


間違いないです。妹からもらったネタと比べれば、
よく分かんないし矛盾も発生しやすい。


しかし、私が実際に使ったネタには、PLの選択権が残されているのです。
と、自分にも正当性があることをアピールしてみたり…。


とは、言っても、最近のFEARスタンダード。
一本道も多いと思います。
私も一本道のシナリオ作ります。
しかし、それはPLの入り込めないシナリオになってしまうのではないかと思うわけです。
これも前に似たようなことを書きましたが。


正直今回に関しては五十歩百歩。
どちらにもシナリオを大きく変える選択肢は実は残っていないのです。
確かに私の実際に使ったネタには、
ヒロインを置いて逃げるという選択肢は残っているのですが、


皆さん圭一君になった時、その場から逃げますか?


演出で逃げるふりをしたりとか、
壱与が気に入らないとかだったら逃げると言うこともあると思いますが、
普通にシナリオの流れを読んだら、多分捕まるのですよ。
これは、お約束を利用した選択肢の排除ですよね。
だから、私も妹も、演出は違っても、やってることはあんまり変わらないわけです。
それならいい感じの妹の演出の方が秀でている訳です。


ただ、です。
問答無用でヒロインに監禁される主人公と、
ヒロインを守るためあえて、敵に捕まる主人公。
皆さん、これはどっちをやりたいですか?


私はやっぱり、ヒロインを護って捕まりたいですね。
そっちのほうが格好いいじゃないですか。


確かに、エンゼルギアと言うシステムで、
ギアドライバーである壱与が活躍できる妹のネタは、
とても正当だと思うし、綺麗だと思います。
しかし、TRPGでは、PLが楽しめるという要素が必要になります。
その時、PLはシナリオを紙面やブラウン管の向こうでシナリオを眺めている人ではなく、
シナリオの中に、実際に登場人物として存在している人なのです。
つまり、シナリオを作るのはGMだけじゃないってことになりますね。
TRPGでは、PLというなくてはならない要素があって、本当のシナリオは完成する。
そのためには、PLが格好つけられるシーン、そうじゃなくても何らかの見せ場を
しっかりと出してあげることが必要なわけです。


そのために、シナリオがGMの思い通りにならなくても良いときもあるはずなのです。
漫画や映画などのシナリオと違い、完璧じゃない方が良いときも、あるはずなのです。


今回の反省の際にこんなことを考えました。
シナリオを作るときは、やっぱり、シナリオ面白いって言ってほしくて、
そのためには完璧なシナリオを作るべきではないかと私は今も思います。
でも、一緒に卓を囲んでいるPLの方々が、「こうした方がもっと面白いと思いますよ!」
と言うことを示すように、PCを動かしてくれると、本当に楽しいのです。
そっちのほうが面白いなら、シナリオなんてポイッです。


でも、実際にやってみると、
GMが完璧にシナリオを作っておかないとPLは綺麗に動いてくれないことが多いです。
一緒に作るのは素敵なことですが、PLによりかかってはいけないと言うことですね。


自分で書いて、自分がイタイ・・・。
自分に突き刺さる一言を思わず書いてしまったところで、
この記事はお開きにしたいと思います。